大学時代の過ごし方

就活生の選抜コミュニティ「J-CAD」の運営を始めて今年で6年目になります。メンバーは24名と限定しているため選考がありますが、1次選考は自分史による書類選考を行っています。

現在その選考の最終段階にきていますが、今年の「J-CAD」の対象者は2024年卒の学生となりますので、現在3年 or 修士1年 or 博士2年の学生となります。現在の3年生は2020年4月に入学した学生で、コロナ禍の影響を入学当初からフルに受けた学生です。

自分史の大学時代について記載された部分を読むと、多くの学生はコロナ禍の状況で、次のような過ごし方になっています。(例:東京の大学に通う、地方出身者)

・1年の春学期はリモート授業のため実家から参加。友達ができず大学生になった気がしない。

・1年の秋学期から一部対面授業が始まるの合わせて上京し、一人住まいを始める。

・サークル新歓(新入生歓迎活動)が始まるも、リモートでの説明なので雰囲気はよく分からず。取り敢えず、友達を作るためにいくつかのサークルに入部。コロナの影響があり、秋学期もサークル活動はリモート中心なので盛り上がらず。

・2年で交換留学に行こうとし、一旦留学の学内選考を通過するも、コロナの影響で中止となり行けなくなる。

・周りの友達が長期インターンに参加しているのを見て、取り敢えずスタートアップ企業の長期インターンに参加している。

コロナ禍でも、体育会運動部に入部した学生は大会での勝利という明確な目標があるので、熱中する対象を持っていますが、それ以外の多くの学生は、対面活動が制約される中ではなかなか熱中するものが見つからないという状況にあるように感じます。大学時代は、自分の興味関心があることに時間の制約なく熱中できる貴重な時代なのに、この状況はもったいないですね。

しかし、自分で考えて動ける学生はコロナ禍の中でも、部活以外にもいろいろなことに熱中しているのが自分史から読み取れます。

例えば

・1年時にクラスのオンライン交流会を開催して、現在でも頻繁に会うような親しい人間関係を構築

・1年時は週5コマスペイン語を履修し語学に多くの時間を注ぐ。2年生から弁論部に入部し弁論部の活動にコミット

・2年時に大学の講義を聴くことで教養が深まることを実感。半年で40単位を取得

・1年時にまとまった時間が取れたので読書にはまり、歴史学に興味を持った。その結果西洋史学科に進学

以上は2020年に入学した学生の例ですが、それ以外では次のような例もあります。

・2年時に友人と二人で学生向けの情報アプリを開発・リリース。そこで得られた学生のプールを用いて企業向けイベント等を開催してマネタイズの仕組みを整える。

・2年時に、1年時に入っていたサークルを全部やめ、新たに高校生向けのサマースクールを運営する団体に加入、秋に自分のチームを作りサマースクールを企画

面接していて面白いと感じる学生に共通するのは、大学時代に何かに熱中している学生です。熱中する対象は、体育会、サークル、勉強と様々ですが、何かに一生懸命取り組むことにより、人間は成長するのだと思います。

これは会社に入ってからも同じで、仕事でただ頑張っているだけの人よりも、熱中している=ワクワク(たまにドキドキ)しながら仕事に取り組んでいる人の方が伸びていると思います。

以前「大学での楽しみ方」という記事をこのBlogに書きました。その中で紹介した慶應義塾大学商学部教授だった村田昭治さんの本に書いてあったことのエッセンスを再録すると、

『大学の役割は、学生に何かを教えるのではなく、学生の学ぶ好奇心のきっかけ作りだ』

つまり、大学時代は、興味関心あることに熱中して、好奇心のきっかけをいろいろと作っておく時代だと思います。興味関心あることというと、勉強以外に目が向きがちですが、実は大学時代は勉強に関心を向けると一番面白くなるのではと考えています。その際鍵となるのは、先生が面白い人かどうかです。大学の先生は一般的に優秀な人が大学に残って教授になるケースが多いですが、優秀な人が自分にとって面白い人かというとそうでもありません。仮に自分の所属している学科、学部に限ると面白い先生がいなかったとしても、他学部に目を向けると結構面白い先生が見つかると思います。

私はお会いしたことはありませんが、書かれた本などを通してこの先生は面白いに違いないと目をつけているのが、京都大学の前総長の山極寿一さんです。山極さんが本等に書かれたことをこのBlogの記事でも何回か引用しています。(→「三感を研ぎ澄ます」「好奇心の育み方」「リモートの壁」

また、慶應義塾大学SFC教授の安宅和人さんも面白いに違いないと思います。安宅さんの推進されている「風の谷を創る」ことで未来そのものを創る活動はワクワクしますね。(先日たまたま安宅ゼミ所属の学生と話す機会がありましたが、やはり安宅さんはメチャクチャ面白いと言っていました。笑)

自分にとって面白い先生は、探してみると各大学に何人か見つかると思います。そして、そんな先生にアクセスしていくと自分が興味関心を持てることのヒントがいろいろと見つかると思います。(京大の学生には、「京大生のうちになんとか機会を作って山極さんに会っておくといいよ」とよくアドバイスしています。笑)

大学の先生にアクセスするのは、大学生の間は簡単にできますが、社会人になるとそう簡単ではなくなります。長期インターンに行くのもいい経験ですが、就業体験は就職すればいくらでもできることなので、大学時代は勉強・研究で興味関心あることに熱中するというのが意外とお勧めなのではと思います。

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