感動力を鍛える

時代の本質を掴む達人糸井重里さんの次のインタビュー記事に、いろいろとヒントになることが書いてありました。

糸井重里「なぜ、未来がそんなに不安なの?」(日経ビジネスONLINE)

以下記事からの抜粋と、その部分を読んで私が閃いたことです。

『そのためには、ベースとなる「感じる」部分が錆びないことが大切です。次に「思う・考える」。それで「何をするか」だと。「感じる」が消耗すると、考えることだけしかしなくなって、それこそ前提などにとらわれてしまい、「誰も要らないよ、そんなの」といった、とんちんかんな商品やサービスを提供しかねない。』

➡これ大事ですね。これまでの時代は、不便を解消すればビジネスとなっていた時代でした。その場合、リサーチをして論理的に解を求めることができました。しかし、不便なことがほとんど無くなってきたこれからの時代は、リサーチをしても解は見えません。ロジックでは答が見えないこれからの時代は、この「感じる力」がますます重要になると思います。この「感じる力」を私は「感動力」と呼んでいます。

『「今、そんなことをしている場合じゃないんだよ」という考えはマイナスに働くと思っていて、古典でもアートでも映画でも何でもいいから、「感じる」時間を持つことも大切ではないでしょうか。』

➡感動力を鍛えるために、普段私が心がけていることがいくつかありますが、アートを見に行くというもその一つです。その他、面白いと思ったものが目に入ったらiPhoneで写真を撮る。面白いことを閃いたら、すかさずiPhoneにメモを取るということも心がけています。

『ほぼ日では「ほぼ日の学校」というシェイクスピアや歌舞伎、万葉集といった古典を学ぶコンテンツを提供しています。僕が学び始めて思ったのは、偉人の哲学といった知が身につくと、生き方を考えるための武器になり、同時に他者への想像力を深めると思うんですよね。AIやIoTといったテクノロジーの話ばかりに視線を向けがちな今だからこそ、そうした人間の礎となる部分の大切さを忘れてはいけないと思う。時代がどう変わろうが、「人間って本来はこうだろう」みたいな。』

➡私は元々理系だったせいか、古典とか哲学は苦手な分野でした。しかし48歳のときに古典を学ぶ4泊5日の「日本アスペン・エグゼクティブ・セミナー」を受講する機会があり、これは大変勉強になりました。何かを教えてもらうわけでもなく、事前に配布された古典のテキストをもとに参加者同士で対話を繰り返すという一風変わったセミナーでしたが、自分の価値軸を形成するのに大変役立ちました。

『「少年ジャンプ」の次の発売日までは生きていようと思う人は、たくさんいると思うんです。未来につながるようなワクワクする楽しみがある人は、幸せだと思う。一方で僕は、人に言えるような趣味がなくて、実は、明日も生きていく理由が少ない人なんです。だから、自分を動かすワクワクをいつも探しています。』

➡私も趣味と言われると特にないので、この糸井さんの感覚よく分かります。「自分を動かすワクワクをいつも探しています。」というのは、今の感覚に近いです。それにしても、少年ジャンプを例えにしてこの感覚を説明する糸井さんの凄さに感動。

『ワクワクするような夢中になれるものが今見つからなくても、自分で探したり、「一緒にやろうぜ」と思えることが増えれば、そのうちきっと見つかると思うんですよ』

➡「そのうち見つかる」と信じて、探し続けるって大事ですね。

『でもね、多くの社員がいるからできることと、少人数だからできることがそれぞれあるわけで。予算や儲けを気にせずに、自分も周りも心から面白がれることをやるのが、僕が最後にやりたい仕事かなと思っています。』

➡これってサード・ステージで目指す姿のヒントですね。

以上、いろいろと示唆に富んだ糸井重里さんの記事からの閃きでした。

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