心地よさの法則

私は、真理には何か法則性があるに違いないと考えています。その考えの基、意外なところから、真理についての発想のヒントを得ています。

例えば、以前嗜好品を開発する仕事をしていたときに、「嗜好品の本質って何だろう?」とよく考えていました。その時に私のたどり着いた答えは、「嗜好品とは心地よさを実現してくれるもの」でした。

では、心地よさを味わうために必要なモノ、コトは何だろうと考えていたときに閃いたのが、「曜日理論」です。

これは日曜日から始まって土曜日で終わる曜日の中に、心地よいと感じる要素は全て網羅されているという仮説です。(大胆ですね、笑)

日曜日:お日様=太陽、つまり快晴のときは、心地いい

月曜日:月、つまり月夜とか満天の星空が見えていると、心地いい

火曜日:火、つまり焚き火等の炎の揺らぎを見ていると、心地いい

水曜日:水、つまり小川のせせらぎのような水の流れを見ていると、心地いい

木曜日:木、つまり木々の緑を見ていると、心地いい

金曜日:お金、?

土曜日:土、つまりアウトドアにいると、心地いい

当初、金曜日だけは、うまい言い換えが思いつきませんでした。

さすがに「お金があれば、心地いい」ではないだろう、金とは自然ではなくて、何か人工的なモノでは?と考えました。そして、最初に考え出したのは「お金のかかること=アート」です。つまり、「アートを見ていると、心地いい」です。

最近はそれが進化して、「お金のかかること=おいしい料理を食べること」と考えています。(笑)

上記仮設が正しければ、上の要素が全部詰まったシーンは、大変心地いいはずです。

要素が全部詰まったシーンとは、次のようなシーンです。

「快晴の日に、新緑の木々に囲まれた小川のせせらぎのそばで、BBQをして食べる。しばらくすると辺りは暗くなり、仲間で焚き火を囲んで話していると、いつのまにか空は満天の星空に変わっていった」

こういうシーンでは、誰でも心地いいですよね。

YouTubeで心地いい映像を検索してみると、自然(新緑、小川のせせらぎ、星空)や焚き火がたくさんヒットします。その映像の要素をシンプル化すると、「自然」と「火」という大昔からあるものになります。ということは、大昔の人と現在の人の感じている心地よさの大きさは、実は変わっていないという仮説も思いつきます。別の言い方をすると、昔に比べて現在は便利になったが、心地よさという観点からは進化していないとも言えます。

ということは、未来の嗜好品のヒントは、意外と、昔からある心地よさをよく研究してみると見つかるのかもしれません。