第3回【会社の選び方】

GNP通信「就活講座」第3回の今日は、これから皆さんの直面する、アプローチする会社の選び方についてお話したいと思います。 

過去の例を見ると、皆さんがまずエントリーする会社は、

 ・自分のやりたいことができそうな会社 

 ・イメージのいい会社→就職人気ランキング上位の会社

 ・仕事がイメージしやすい会社→一般消費財等普段目にするモノを扱う会社

というような切り口で選ぶ場合が多いようです。 

エントリー後、セミナー、面接とステップを進んでいき、めでたく内定をもらって、その会社に入社を決めれば 一件落着ですが、最後入社を決めるときによく迷うのは、自分の行きたい会社は他にあるのではという一抹の不安感です。 

以前就職は結婚と同じだというお話をしましたが、結婚する場合でもよくあるのが、結婚式の一週間ぐらい前になって、本当にこの相手と結婚して人生を決めてしまっていいのか、もっといい相手が世の中にいるのではという感覚です。 

エントリーシートはメールなので多数の会社に出すことは可能ですが、セミナー等実際に会社の人と会う場に出かけていくのは、結構大変ですから、20〜30社回れればいい方だと思います。 そうするとたかだか20社程度の中で決めてしまっていいのかという思いが迷いの元となります。 

学生には次のように絞込みを進めるように薦めています。 

Step1:まずエントリーする会社を100社程度選ぶ。 選ぶ基準は何でもいいが、業界はいろいろな業界をカバーするようにする。例えば商社に行きたいと思っていても、銀行、メーカー、ベンチャー、etc と幅を持たせる。もちろん行きたい商社業界からは複数社選ぶ。 

その時、自分の既成固定概念から脱却するために、一見関心を持たないような業界も意識的に含めておく。(結構こういう最初関心がなかった業界、会社に行ってみるとおもしろいと感じることがあります) なお、 実際に100社は回れませんが、ここで100社リストアップするというのは、既成概念にとらわれずにストレッチして発想してもらうためです。 

Step2:エントリーした100社の中で社員に会える機会(セミナー、OB 訪問等)を与えてくれた会社には極力接触し、社員と直接話しをする機会を持つ。
これも巡り合わせですから、限られた時間の中で会えるのは 20〜30 社程度だと思います。 

Step3:接触した会社から、会った人が自分に合うか合わないかを優先基準として、プロセスが進む(面接等が進んでいく)につれて対象会社を絞っていく。最終的には入りたい会社を5社程度に絞り込む。 

Step4:この5社に絞り込んだ段階では、それぞれの選考プロセスも進んでいるはずだが、この5社から内定をGetできるよう全力を尽くす。→結果1〜3社の内定を勝ち取る 

Step5:複数社に内定した場合は、内定後に先輩社員と会う機会をつくり出し、その時の相性をベースに最終的に入社する1社に絞り込む。 

Step1で100社をPick Upしたときに、何らかの皆さんのこだわりが作用しているので、アトランダムに選んだ100社とは違うはずです。その中にはそこそこ皆さんに合う会社が達観で2割程度は入っているはずです。 これは世の中の2割の会社が皆さんに合うのではないが、自分の勘で何らか関心を持った会社の中には2割程度は合う会社だという仮説です。(証明はできませんが、私の過去の経験から出た達観の数値です)

この2割程度は入っているというのが重要なポイントです。 これが100社に2、3社しか合う会社がないというのなら内定をとるだけではなく、その会社を見つけ出すこと自体が至難の技です。 逆に5割程度あるというのなら、就職活動は内定をとることだけ考えていればよく、選ぶというプロセスは重要ではなくなります。 

Step3で目安として5社に絞り込むという話をしましたが、5社というのは20社訪問すれば2割自分に合う会社が平均的に入っているとすれば4社となりますので、幅を見て5社ぐらいは合うと感じる会社が入っているだろうということからきています。 

もう一つ大事なポイントはStep5です。 内定したら就職活動はおしまいと思っている学生がほとんどですが、 本当に大事なのはその後に会社の人と会ってコミュニケーションをとり、相性を確認した上で最終決定することです。 実際の就職活動プロセス(セミナー〜面接段階)では意外と会社の人とコミュニケーションをとる機会を持てません。 会社選択の責任は全て自分にあります。 自分の目でよく見て最終決定をしてください。 

そして決めた後は悩まないことです。 (そこそこ合う会社であれば)どこの会社に入るかでその後の人生が決まるのではなく、入った後にどうやるかで決まります。 悔いを残さない就職活動ができるよう頑張ってください。