このあとどうしちゃおう
ヨシタケシンスケ展に行ってきました。予想以上に良かったです。
これは2024年11月に京橋に新しくできた美術館「CREATIVE MUSEUM TOKYO」で開催されている展覧会で、2025年3月20日~6月3日に開催されています。
#美術館の名前がいいですね。
2022年に始まった展覧会で全国各地を巡回しており、既に約70万人を動員している人気の展覧会です。一般の料金が2,000円ですので、単純計算で売上14億円です。
#絵本の展覧会で14億円って凄いですね。
この展覧会では、絵本作家のヨシタケシンスケさんが長年にわたって身の回りのできごとを描きためた膨大な枚数のスケッチや絵本の原画が展示されていますが、まず最初の部屋に展示されているスケッチの数に圧倒されます。ヨシタケさん愛用の手帳に書いたスケッチの実物大の複製が壁一面に貼られています。1枚1枚面白いのですが、数が凄いのでもちろん全部は見られません。仕事の質を上げるためにはまず量をこなすことが大事だということが実感できます。
#まるでスーパーカミオカンデです。(笑)
ヨシタケさんは絵がもちろん上手いのですが、内容が面白くて、絵本ながら子ども向けというより大人が楽しめる内容になっています。見るとおもわずニヤリとする内容があふれています。
展示の最後の方に、ヨシタケさんの絵本をいろいろと読める部屋があり、そこで何冊かを読みましたが、その中でこれは面白いと買って帰った絵本があります。それは「このあとどうしちゃおう」です。
絵本なのに「死んだあとどうなるんだろう」ということをテーマにしています。この通常だと重たいテーマをヨシタケさん流に解説してあり、読み終わると死んだあとのことを前向きに (?) 考えられるようになります。
「この間おじいちゃんが死んじゃった」で始まり、おじいちゃんの部屋を掃除していたら、おじいちゃんの書いた「このあとどうしちゃお」というノートが出てきたというお話です。
「このあとのよてい」
「てんごくにいくときのかっこう」
「うまれかわったらなりたいもの」
「こんなかみさまにいてほしい」
「てんごくってきっとこんなところ」
「いじわるなアイツはきっとこんなじごくにいく」
「こんなおはかをつくってほしい」
とまだまだ話は続いていきます。次は何が出てくるのだろうと、ページをめくるのが楽しくなります。そして、何だか死んだ後のことが楽しくなっていきます。最後のページの終わりかたもいいですね。
#子どもより大人が読んだ方が感動する絵本です。
展覧会の出口には、箱が置いてあり、その中から自分の未来を描いたカード「あなたのみらいはこれかもしれない!でもぜんぜんちがうかもしれない」を1枚取ってお土産として持ち帰えれます。
そのカードの裏に描いてあった私の未来は「ミステリー作家」でした。(笑)
展覧会でお土産付きというのはいいですね。
また、出口の最後の壁のイラストも、思わず上手いと唸りたくなります。(この内容は会場に行ってのお楽しみです。)
入口から出口まで、こんな感じで至る所にセンスあふれる小さな仕掛けがしてあって、見終わるとなぜか幸せな気分になります。こんな感動した展覧会は久しぶりでした。