オフィスプレーヤーへの道

私がちょうど30歳の時(1989年)に、仕事は遊びだと教えてくれた本があります。

JTに1982年に新卒で入社して8年目、人事部採用担当で学生に会いまくっていたときです。当時いろいろなことを閃いては仕事でやりたい放題やってましたので、仕事は何となく遊びみたいだなという感覚はありましたが、さすがに仕事は遊びじゃないだろう、こんな感じで遊び感覚でやっていていいのかな(やや後ろめたいな)と思っていました。

ちょうどその頃に仕事で付き合いのあった方から、面白い本がありますよと紹介されたのがこの本です。著者の藤岡和賀夫さんは電通の有名なプロデューサーの方で、富士ゼロックスの広告「モーレツからビューティフルへ」、国鉄のキャンペーン「Discover Japan」を仕掛けた方です。

この本で学んだ部分を以下抜粋します。

『それから重要なこととして、こんなこともいえます。時間さえかければいいというものではないけれど、と、いま言いましたが、仕事の質と言うのは、実は数や量と密接な関係があるのです。先々いい仕事をするためには、ものすごい量の仕事をこなしてやってみる時期がやはり必要だと思います。数や量をこなすことによって、仕事の質を高めていけるのですこれは私だけが言っていることではなくて、いかなる世界においても同じだと思います。』

➡新卒最初の5年で勝負が決まる、その間にまず量をこなすことが大事。同じことをいろいろな方が言われていますが、意外と会社では教えてくれません。特に最近は、ワーク・ライフバランスが大事という流れになっていますので、上司は言いにくくなっています。上司から言われた仕事だけだと量をこなせない状況にある場合は、自分で仕掛けていく必要があります。

『そのことを通してはじめて、私がいちばん大事なことだと考えているプレイ(Play)の感覚が出てくるのです。遊びの感覚、つまり楽しみの感覚をもちながら仕事ができるようになるのです。』

➡仕事で遊ぶためには、まず仕事の量をこなす必要がある。量をこなして仕事をする力をつけて初めて遊びの感覚になるのだと思います。

『私の持論ですが、このプレイ感覚に到達する前の段階がワーク(Work)感覚、そのさらに手前がレイバー(Labor)感覚、その順を踏んでどんな人でも仕事をしているのだと思います。

今はさすがに、レイバー感覚のところで脱落する人は少なくなったと思います。それでも、ワーク段階で飽きがきたり、嫌になったり、疎外感に陥ったりするのがほとんどでしょう。プレイ感覚のところまで突き抜けていないからです。そこまで行ってしまったら、絶対に仕事が面白くなります。』

➡オフィスワーカーというのは一般的に使う言葉ですが、オフィスプレーヤーという言葉はほとんど使われていません。現実的にはそれだけプレイ感覚になっている人が少ないのだ思います。

『私自身の経験でも、未熟な最初の10年間は、とてもそんな境地まではいかなかった。ようやく40歳を過ぎてから、やはり、「モーレツからビューティフル」や「ディスカバー・ジャパン」のキャンペーンを始めた頃からそんな感覚をつかむのです。

あっ、仕事ってこんなに楽しいものなんだ。こんなに楽しみながらできるものなのだ、と、そのときからプレイ・ワークという感覚に思いが至ったというわけです。

ですから、その後の電通での仕事は、遊んでいたと言うと人聞き悪いのですが、最後までプレイを楽しんでいたようなものです。』

➡藤岡さんは電通で役員待遇のPR局長まで務め上げた方ですが、その方が最後までプレイ感覚で構わない、プレイ感覚でいけると書いてあったので、勇気をもらいました。(笑)

この本を読んだ以降は、私も後ろめたさがなくなり、安心して仕事でプレイしていきました。結局、JTを退職するまでプレイ感覚で仕事をすることができましたが、その方が個人的に面白かっただけではなく、結果的にその方が会社にも貢献できたと思います。

「仕事は遊びだ」と堂々と言うためには、実績を出していることが必要です。藤岡さんは、仕事で顕著な成果を出されていましたので「仕事は遊びだ」と宣言できたのだと思います。成果を出していないのに「仕事は遊びだ」と言うと、本当に遊んでいると誤解されかねません。(笑)

ちなみに、私はR&Dのトップをやっているときに、R&Dグループのメンバーに対して、イノベーションを起こすための行動指針として6Action Keywordsということを掲げていましたが、その6つの単語の中のひとつに「遊び心」という言葉を入れてました。仕事は遊びではないが、遊び心は大事だ(特にイノベーションを起こすためには)とよく話していました。「遊び」と「遊び心」の違いは紙一重なので「遊び心」は「遊び」と誤解されやすいため、なかなか遊び心を持てないのですが、仕事でも意図的に持つようにすることが必要だと思います。

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