最後の1年
2024年2月末時点で25卒の就活は終盤を迎えており、今年は4月上旬には山場を越すと見られています。昨年までは山場を越したのは6月上旬でしたので、今年の就活は例年より約2カ月前倒しになりそうです。その結果、春休み中に就活の目処がつき、4月から始まる学生最後の1年をまるまる就活以外に使えることになります。これは学生にとって非常にいいことだと思います。最後の1年は、学生にとっては卒論という初めて自分で研究に取り組む重要な時期であり、体育会の学生にとっても最後の勝負の期間となりますので、就活に時間を取られるのはもったいないなと思っていました。
就活を終えて1年間の自由になる時間があるとしたら、何をしたらいいのか?
私は、学生時代にしかできないことに「熱中する」といいと考えています。
学生の王道としては
・卒論、修論に熱中する
・部活最上級生として勝利に向かってチームを牽引する
というのがありますが、そのほかにもいろいろなオプションがあると思います。
社会人になると「会社にとってやらなくてならないこと」をやる必要があり、「自分のやりたいこと」をやれるというわけではありません。また「世の中の役に立ちそうなこと」をやるのが仕事であり、「世の中の役に立ちそうにないこと」をやる機会はなくなります。
ということは、学生時代にしかできないことを考えるときには、「自分のやってみたいこと」で「世の中の役には立ちそうにないこと」にヒントがあることになります。
また、社会人になると長期休暇で取れるのは10日程度がMaxとなるので、それ以上の時間が必要なことはできなくなります。また、休暇以外の時間は仕事に没頭することになるので、休暇は学生時代以上に貴重な自由になる時間となります。そのため「タイパの悪いこと」や「面白いかどうか分からないこと」には時間を使わなく(使えなく)なります。
てことは、「タイパの悪いこと」や「面白いかどうか分からないこと」もやることを考える上でヒントになります。
面白いかどうか分からないことに取り組むと、結果つまらなかったことも多くなると思いますが、やってみて面白くないということを実感する機会を持つことは、無駄なことに時間を使える学生の特権です。そういう外れを何回か経験していくと、当たりを嗅ぎ分ける直感が段々働くようになります。もしそうなら、結果的にその無駄は無駄ではなかったということになりますね。
上記条件に当てはまることでどんなことが考えられるかというと、例えば
・国内のいろいろな場所に(旅行に行くのではなく)滞在してみる
・ヒッチハイクで流れに任せて移動してみる
・座禅を組む
・滝に打たれる
・焚き火をする
・本を読みまくる
・映画を視まくる
海外旅行もいいですね。それも効率的な観光旅行ではなく、時間が自由にならないとできないことをやるといいですね。
例えば
・オーロラを見に行く
・ウユニ塩湖で満天の星空を見る
仕事でスタートダッシュが切れるよう、入社前に仕事に慣れるために長期インターンをする学生もいますが、仕事をするようになれば身に付くことに貴重な最後の1年を使うのはもったいないですね。もちろん、その仕事が面白そうだとインターンをするのならOKですが、スキル等身について就職後に役に立つのが目的でやるのならもったいないですね。
もし、長期インターンをやるのなら、やってみたいと思ったことで、入社後すぐには役に立ちそうにないことがお勧めです。
例えば、文系の学生で入社する会社では使いそうにないのならプログラミングの勉強をしてみる。理系の学生で研究職として入社が決まっているのなら、敢えて現場の仕事、例えば営業の仕事をしてみるというような発想です。但し、あくまでそれが「やってみたいこと」であった場合で、「入社後役に立つ、有利なこと」という発想ではないことが重要です。というのは、役に立つことは必要に迫られる入社後にやった方が効率的だからです。
特にやりたいことが思いつかない場合は、やりたいことを閃く(面白いことを企む)ための仲間を募るという方法もあります。大学のサークルは就活が始まる3年生になる前に引退することが多いため、就活後に所属するコミュニティがない学生が結構います。そこで、就活後に始まるサークルを作るのも面白いのではと思います。
私は現在就活生の選抜コミュニティ「J-CAD」を運営していますが、そろそろ25卒メンバーの就活も終わるので、このメンバーで就活後に何か面白い企みをするサークル的な運用ができないかなあと考えています。(笑)