経験の理論化

最近読んだ本の中で、次の本は面白かったですね。物理学の重要な法則の発見、進化の歴史を、難しい数式を使わずに素人にも分かるよう解説してあり、こうやって科学が進化してきたのだということを知れるので読んでいてワクワクしました。(といっても、内容はよくは理解できませんでしたが、笑)

以下文中から抜粋すると

『ニュートンが運動と重力の法則を発見すると、機械の時代と産業革命の土台が築かれた。

ファラデーとマクスウェルが電気と磁気を解明すると、都市に明かりがもたらされ、強力なモーターや発電機のほか、テレビや無線による瞬時の通信が実現されることになった。

アインシュタインのE=mc2という式は、星々のもつパワーを説明し、核力を明らかにするのに役立った。

シュレーディンガーやハイゼンベルクが量子論の秘密を解き明かすと、スーパーコンピュータやレーザー、インターネット、それにわれわれの家にあるすばらしい機器の数々を生み出す、今日のハイテク革命がもたらされたのである。

結局、現在テクノロジーのあらゆる驚異は、科学者が世界の基本的な力を徐々に見つけてきたおかげで生まれたのだ。』

最新の理論に至る次のような道筋の解説もしてあります。

・量子電磁力学(QED)

・標準模型

・ひも理論

・M理論→1995年に生まれた最新理論

読んでも内容はよく分かりませんが、こうやって科学は進化してきたんだという雰囲気は味わえます。(笑)

この本の最後にまとめとして記述してあるのが、次のくだりです。

『いまや、四つの基本的な力のすべてを統一する「万物の理論」への収斂がなし遂げられつつあるのかもしれない。そこで、この理論がついに完成したと仮定してみよう。我々の暮らしや考え、宇宙観にどんな影響があるだろう? 日常生活への直接的な影響については、なきに等しいだろう。万物の理論がわれわれの暮らしに影響を与えるとすれば、それは哲学的なものかもしれない。この理論は、偉大な思想家を代々悩ませてきた深遠な哲学的問題に、ついに答えられる可能性があるからだ。たとえば、タイムトラベルは可能か、宇宙創成の前に何が起きていたのか、宇宙はどこから出てきたのかといった問題である。』

今までの科学の発展の流れを考えると、そのうち「万物の理論」は完成しそうな気がしますが、完成したとしても、世の中は今以上に大きくは進化しないようです。となれば、何が大事かということを今考えておけば、時代が変わっても今後も通用する可能性が高いということになります。

今までの話は人類の進化に寄与した大理論ですが、私は自分の経験を基に小さな理論を作ることがよくあります。例えば次のような理論です。

「仕事が面白い3条件」

「仕事で一番重要な3つの力」

・3人会えば社風が分かるという「SMAP理論」

・イノベーションを起こす方法「6AKW」

・仕事が面白い会社にする「4Steps」

・人生112年時代の指針を示した「LIFE STAGE理論」

こういう理論はどうやって作るかというと、単なる閃きです。(笑) そのため、この理論が正しいと証明されているわけではありませんが、これよりいい理論が見つかるまでは取り敢えず正しいとしています。(つまり間違っていたっていいと考え、気軽に理論と称しています)

理論を作るステップは次の通りです。

まず(自分の経験から)理論の素を閃き、それを素に仮説を考え出します。そしてその後の経験の中でその仮説が成り立つかどうかを検証していき、いくつかの事例でその仮説が成り立てば、正しい可能性はありと考えて米田理論のリストに加えていきます。

例えば「仕事が面白い3条件」とは、次のような理論です。

・自分で考えたことを

・自分でやって

・いい結果がでたとき

仕事はめちゃくちゃ面白い

この理論を閃いたきっかけは、それまでの理系(技術系)人生から初めて文系(事務系)に変身した人事部採用担当の仕事をしたときです。それまで、文系仕事は私にとっては土地勘がないことなのでつまらないだろうと勝手に思いこんでいましたが、やってみると意外に面白いと感じました。そして採用担当の次の異動先が海外M&Aプロジェクトで、ここでやったことも文系的な仕事でしたが、やはり面白いと感じました。仕事の種類的には面白いとは思っていなかった文系仕事が2回続けて面白かったので、仕事の種類は面白さに関係ないのでは、仕事の種類以外の要因の方が大きいのではと考えて上記仮説を作りました。(この時点ではまだ仮説段階で、正しいかどうかは分かりませんが、この辺りで図々しく理論の名前をつけてしまいます。笑)

そしてそれ以降、いろいろな部署に異動していろいろな仕事に携わりましたが、どこでもこの仮説が当てはまったので、この単純な理論は一般的に成り立つだろうと確信して米田理論リストに加えました。

これまでいろいろな理論を考えてきましたが、他の人に話して一番受けたのは次の「上司三段活用」です。

・良くない上司→元気のない上司

・普通の上司→元気はあるけど、やたら管理したがる上司

・いい上司→元気で留守な上司

私がR&D責任者をやっていたときは、この理論に従って、ほとんど自分の席には座っておらずいろいろな所へ出歩いていました。(笑)

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