卒業後5年間を振り返って(その1)

3月は卒業の季節ですね。私が34年間勤めたJTを卒業したのが2015年12月末でしたので、卒業から早5年経ちました。

私が卒業したのは57歳のときでしたので、LIFE STAGE理論で考えているサードステージの開始時期とほぼ一致していました。会社を辞めた時にはその後何をするかは具体的に考えていませんでしたが、セカンドステージの延長として別の会社に勤めるより、サードステージに入るのだから、何か別の形を始めようと漠然と考えていました。そこから試行錯誤を繰り返しながら徐々に現在の形ができてきました。現在は個人事業主でありながら、企業の力もお借りして、一人ではできないことを仕掛けるという形になっています。現在仕掛けている「J-CAD」はその典型で、2017年1月に当時スローガンの野島さんとブレストしていた時にたまたま閃いたアイデアが元になって、時間の経過とともにそのアイデアがだんだん形になっていきました。
私は計画を立ててそれに従って進めるというよりは、流れに乗って思いついたことをどんどんやっていくスタイルの方が合っていて、会社を辞めた後もそのやり方でやってきました。その結果、この5年間にやってみて良かったことを以下整理してみました。

大きく分けて次の2つのカテゴリーとなります。
・サードステージに必要な準備をする
・INPUT+OUTPUT+ACTION

まずサードステージで準備して良かったことです。

1. 仕事をする環境を整える

①居場所の確保

会社を辞めてまず考えたのが、仕事をする場所です。打ち合わせをする場合は都心となりますが、アポイントとアポイントの間に時間があるときは、最初の頃はカフェ等探してその席で仕事をしていました。その後固定的な場所があった方がいいこと、また周りの人が真剣に仕事をしている環境の方が仕事をするモードになっていいことから、半年後(2016年7月)には都心のコワーキングスペースの会員となって、居場所を確保しました。2020年4月の緊急事態宣言以降は打ち合わせで都心に出ることはなくなりましたので、都心のコワーキングスペースは解約して、自宅近くにちょうどオープンしたコワーキングスペースの会員となりました。

②Zoom環境を整える

2020年4月の緊急事態宣言以降は仕事のやり方が激変し、ほぼ全ての仕事がZoomによるリモートとなりました。それに伴い、Zoom環境の整備が仕事の質を担保するために必要となりました。質の向上のために効果があったのが次の3点です。

・カメラの解像度Up→古いiMacを新型に買い替えることによりカメラの性能がUp

・マイクの性能Up→コンデンサーマイクPod Pack1を購入

・照明環境の改善→LEDリングライトを設置

③名刺を作る

会社を辞めて困ったのが、初対面の方と会ったときの名刺交換です。現役のときは仮に名刺がなかったとしても、名前と会社名と所属と役職を言えば一次情報としては十分でしたが、会社を辞めると名前のみになります。さすがに名前だけでは、その人のバックグラウンド等分からないので簡単な自己紹介が必要となります。毎回毎回自己紹介をするのも面倒くさいので、名刺を作ることにしました。自己紹介代わりとなる名刺ですから、名前だけでは不十分です。今どんなことに取り組んでいるかを端的に表す名刺を作ろうと試行錯誤しました。

いろいろなスタイルの名刺を作ってみましたが、最終的にたどり着いたのは、会社を作ってその社名でやっていることを表してしまおうという作戦です。そこで「LIFE STAGE LAB」という会社名をまず作り、名刺となると会社のロゴがあった方がいいのでロゴも自分で作成しました。

ここでさらに遊び心を発揮して、名刺に1番から始まる通し番号をつけることにしました。通常印刷屋さんに頼んで名刺は作成しますが、その場合100枚単位の発注になりますので、通し番号をつけることはできません。そこで名刺サイズの印刷が可能なCanoniP2700というプリンターを名刺印刷用に購入し、1枚づつ自分で印刷していきました。この名刺はバラまくものではなく、会った方にしか渡さないつもりでしたので、枚数はそんなに必要ありません。1枚づつ自分の作品と思って、心を込めてプリントしました。(笑)

この名刺を初対面の方に渡すときには、「世界初のブロックチェーン型名刺です」と言って渡していましたので、皆さん「何それ?」となって最初のつかみとして良かったですね。(笑)ブロックチェーン型というと、何かハイテクが仕込まれているみたいですが、実は超ローテクです。名刺を渡したときに、いつ誰に何番の名刺を渡したかを都度iPhoneのメモアプリに記録していただけです。それにより後で何番の名刺をいつ誰に渡したかをトラッキングできたことから、ブロックチェーン型名刺と名付けました。

通し番号を入れたのは、遊び心を表したいというのもありますが、本当の目的は活動の見える化でした。個人で仕事をするようになると、会社勤めと違って活動量が上がっているのか、下がっているのかよく分からなくなります。新しいことを閃く量は、新しい人に会って発想刺激を受ける量に比例すると考えていましたので、年単位で名刺の配布枚数の推移を見ていくと、自分の活動量を図る指標になるだろうと考えました。

実際の配布枚数の推移はこうなりました。

2017年:25枚→この年は、8月18日に1枚目を渡して以降、まだ試験的に使っていました。

2018年:323枚

2019年:221枚

2020年:29枚→緊急事態宣言以降ほとんど名刺を使うことはなくなりました。(笑)

④個人事業主として起業

個人事業主として起業するに当たって行ったことは、最低限必要な次の3点です。

・開業届の提出

・青色申告承認申請の提出

・会計ソフト「マネーフォワードクラウド確定申告」の導入

(以下次回に続く)