アートとビジネスの関係

日本ではアートは趣味の世界でビジネスの世界とは別ものと捉えがちですが、私はアートに接するといろいろな発想刺激を受け、結果的にビジネスに繋がる発想に役立つと感じています。もちろん直接的に繋がることはありませんが、ビジネスに役立つ発想の素の素のそのまた素くらいにはなっている気がします。(笑)

全く別世界と思われがちなアートとビジネスが、密接に繋がっているということを、1枚の図で説明してくれるいいモノを見つけました。それは次の「Krebs Cycle of Creativity」という図です。

これはMIT Media Labの准教授Neri Oxmanが、2016年1月にMedia Labの学術誌「Journal of Design and Science (JoDS)」に投稿したものです。

創造性には「Science」「Engineering(工学)」「Design」「Art」が必要で、この4つに関係性があることを、1枚の図で表現しています。

・「Science」の役割は、我々を取り巻く世界を説明し予測すること、すなわちInformationをKnowledgeに変換すること。

・「Engineering」の役割は、問題の解決に科学的知識を活用すること、すなわちKnowledgeをUtility(実用的なもの)に変換すること。

・「Design」の役割は、Utilityの機能を最大化し解決策となる形態を作りだすこと、すなわちUtilityをBehavior(人間の行動)に変換すること。

・「Art」の役割は、Behavior(人間の行動)に疑問を投げかけ、新しいInformation(認識)を作り出すこと。

そしてこの新しいInformationが次のScienceの探求を促します。

また、次のことも表しています。

・左半分はCulture(文化、社会)、右半分はNature(自然)。

・上半分はPerception(認知)、下半分はProduction(モノ作り)。

このように、1枚の図でいろいろな関係性をうまく表現しています。

日本では、左半分が文系の世界、右半分が理系の世界で全く別の世界と捉えがちですが、この図の関係性を意識すると、これからは研究者/技術者でもデザインやアートを学ぶ必要があるということが見えてきます。

今までのモノ作りは、まず技術でカタチを作り、それからデザインを考えるというアプローチでしたが、これからは技術とデザインが融合したモノ作りが必要になると思います。私はAppleやMAZDAのプロダクトが好きですが、ともにこの技術とデザインが融合したモノ作りの匂い(美しさ)を感じます。